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 シナリオメイキング解説 kazuya  2011/05/17-11:14:32  [142]  

   ┗ シナリオテンプレート kazuya  2011/05/17-11:15:05  [143]  
   ┗ データを準備しよう kazuya  2011/05/17-11:15:58  [144]  
   ┗ シーンごとにPCに提供するシチュエーションを考えよう kazuya  2011/05/17-11:17:03  [145]  
   ┗ シーン構成を考えよう kazuya  2011/05/17-11:17:40  [146]  
   ┗ ハンドアウトを考えよう kazuya  2011/05/17-11:18:51  [147]  
   ┗ PCを選定しよう kazuya  2011/05/17-11:19:12  [148]  
   ┗ プレイヤーを募集しよう kazuya  2011/05/17-11:19:51  [149]  
   ┗ トレーラーを作ろう kazuya  2011/05/17-11:20:10  [150]  
   ┗ シナリオを作るにあたっての下準備3 アウトライン kazuya  2011/05/17-11:20:36  [151]  
   ┗ シナリオを作るにあたっての下準備2 NPC kazuya  2011/05/17-11:20:54  [152]  
   ┗ シナリオを作るにあたっての下準備1 敵役 kazuya  2011/05/17-11:21:18  [153]  
   ┗ プレイヤーの役割 kazuya  2011/05/17-11:21:53  [154]  
   ┗ シナリオとは何か? kazuya  2011/05/17-11:22:15  [155]  


シナリオメイキング解説 2011/05/17/11:14:32 No.142  
kazuya  
 まえがき
 
オリジナルシナリオを用いてセッションを行う。
これはTRPGの楽しみの中でも特に他で代替が難しく、TRPGが人を惹きつける大きな魔力だ。
プレイヤーとしてTRPGを楽しむのも確かに素晴らしく楽しいが、
どうせならこの深みまでたっぷり浸かってしまおうではないか!
幸いにもGM需要は常に供給に追いつかない状況だ。
魅力的なキャラクター達があなたのために控えている。
ここでは筆者が常日頃どういうシナリオメイキングをしているか紹介しよう。
 
実のところシナリオの作り方なんてGM百人いれば百通りあるくらい人それぞれだ。
だから、ここで紹介するやり方なんてそのうちの一通りに過ぎない。
これを読んで、自分ならここはこうする。ここはこうしたほうが効率的ではないか。これは間違ってる。
などという感想を抱いていただければ正常だ。
それを踏まえた上で読んで、参考にするなりは自由にして欲しい。
他の人がどういうやり方をしているのかを知るのはとても有益なことには間違いない。
少なからず得るものがあると期待して読んでいただければ幸い。

シナリオテンプレート 2011/05/17/11:15:05 No.143  
kazuya  
以上が筆者のシナリオメイキングのやり方だ。
このやり方に適したシナリオテンプレートを作成したので是非利用して欲しい。

シナリオテンプレート
http://kaxxya.sakura.ne.jp/depot/temp.txt
エネミーテンプレート
http://kaxxya.sakura.ne.jp/depot/00boss.txt

データを準備しよう 2011/05/17/11:15:58 No.144  
kazuya  
 データを準備しよう
 
エネミーデータだったり、情報収集判定によって開示される情報だったり、
セッション中に必要となるものは全て準備しておこう。
この準備を怠り、いちいちルールブックを確認しながらセッションを進めていってはテンポが悪くなるし、
まともに準備できないGMとして信用を失うだろう。
特に慣れないうちはモタつき易いので、準備はしっかり怠ることなくやろう。
こういった面倒な手順をしっかり踏むことは、全体のテンポに良い影響を与える。
手を抜かずしっかり頑張って、密度の高いセッションになるよう心掛けよう。

シーンごとにPCに提供するシチュエーションを考えよう 2011/05/17/11:17:03 No.145  
kazuya  
 シーンごとにPCに提供するシチュエーションを考えよう
 
シーンを開始して冒頭描写をした後、
RP開始の合図を出してもPCがなかなか喋りだしてくれなかった経験はないだろうか?
筆者は何度も経験しているし、今でも時々経験することがある。
PCが黙っている理由は、プレイヤーが描写や状況を理解できず動けないからだ。
例えば「青い空が広がり、草原には風がそよいでいる さぁ、RPどうぞ!」
なんて言ったってプレイヤーはどうすればいいか分からない。
必要なのは空の青さや草原に吹く風ではなくてシチュエーションだ。
つまり、今PCがどういった状況に置かれており、どのような判断を迫られているのかを伝えなくてはならない。
それがあって初めてプレイヤーはPCを動かせるのだ。
例えば「ナイフを抜いた敵が3人、キミを取り囲んでいる!!
その目には殺意!! 一人がキミに襲い掛かってきた!!
このままではキミの心臓は抉られてしまうだろう!!
だが、キミにはその動きが静止画像のように緩慢に見える――。
この程度の相手ならキミはどうとでもあしらえるだろう……。RPどうぞっ!!」
という描写からスタートしたとしたら、プレイヤーは恐らく迷い無くRPを開始してくれるだろう。
ナイフを奪い取る、蹴り上げる、或いは良く分からない超パワーで全員吹き飛ばす、等々。
GMが準備すべきはこういった具体的なシチュエーションだ。
それを理解し、シーンごとにどういったシチュエーションから開始するか考えよう。

シーン構成を考えよう 2011/05/17/11:17:40 No.146  
kazuya  
 シーン構成を考えよう
 
アウトラインにおおまかにキャストを配置し終えたら、
オープニングからエンディングまでの過程でどのシーンを切り取り、配置するかを考えよう。
セッション時間は限られており、その中でエンディングまで辿り着かなくてはならない。
これは、映画で3日間に渡る事件を120分に落とし込む作業に似ている。
キャストが眠りについて次の朝に目覚めるまでの数時間を数時間かけて描写しても退屈なだけだ。
映画ではこういった無駄なシーンは極力カットされている。
TRPGも同じくPCが眠りについて目覚めるまでのシーンなんていちいち描写しないのが通常である。
重要なシーンだけを切り出して配置し、無駄なシーンは極力カットしよう。
これによって展開のテンポの良さが変わってくる。
ただし、何が必要で不要と感じるかは人それぞれなので一概に言えることではない。
例えば、筆者はPCに上司が命令を下すシーンの描写はほとんどやらない。
命令を受けた後、今正に事件の渦中に突き進むシーンの方が導入として重要だと考えているからだ。
シーン構成はGMのセンスが問われるところである。
抜き出すシーンごとにタイトルをつけたり、シーンの目的をしっかり決めておこう。
そうすることによってシーンの区切りをつけ易くなり、メリハリがでてくる。
いつまでも区切られないシーンというものは、”睡眠描写”と同じだ。

ハンドアウトを考えよう 2011/05/17/11:18:51 No.147  
kazuya  
 ハンドアウトを考えよう
 
選定の結果満足のいくPCが揃った。或いはあまりそうでもなかった。
どちらにしろキャストは決まったのである。
あとはあなたの考えたアウトラインの中でPCをどう輝かせるか、
敵役とはどう絡ませるか、NPCとはどう絡ませるか、それらを考えながらハンドアウトを作ろう。
ハンドアウトはGMからPLのPCに対する要求である。
無茶な要求は通らないが、及び腰の要求ではPCをストーリーラインの外側に置くことになってしまう。
このPCでなくては当てはまらないハンドアウト、そのPCのためだけのハンドアウトを用意しよう。
容易に代役の効くようなハンドアウトでは、あなたが”そのPC”に何を要求したいのか伝わらない。
当然だが、GMとPLの齟齬はある。必要ならよく話し合おう。
そのPCをセッションで魅力的に活躍させたい。GMもPLも思うところは同じはずである。
優れた映画監督は俳優の魅力を存分に引き出すことができる。
「戦場のメリークリスマス」で大島渚監督は、
お笑い芸人でド素人のビートたけしの魅力を存分に引き出し、彼に映画人としての道を拓いた。
同じく優れたGMはPCの魅力を引き出すことが上手だ。
PC設定を何度も読み直し、どういった活躍をさせるかよく考えてハンドアウトを作ろう。

PCを選定しよう 2011/05/17/11:19:12 No.148  
kazuya  
 PCを選定しよう
 
PLの需要に対してGMの供給は常に不足しがちである。
よって、ここまで問題なく進めることができたとすれば定員以上の参加希望が集まっていることだろう。
次にあなたがやるべき作業はキャラクターシートを並べ、どのPCを参加させるのかを決めることである。
基準はデータ的なバランス、魅力的な設定欄、プレイヤーの人柄、交友の開拓のための新規参入者優遇。
色々あるだろうが、あなたがマスタリングし易い、或いはやり甲斐を感じるような面子で固めておくとよい。
どういう選択をしたにしろ、PLPC次第でセッションは非常に変わってくる。
この時点でセッションがどのようなものになるかは大体決まったようなものだ。
PC選定のセッションに対するウェイトの重さは、映画のキャスティングに占める重要性と同じだ。
慎重に、しかし、確固たる自信と信念を持って選んで欲しい。

プレイヤーを募集しよう 2011/05/17/11:19:51 No.149  
kazuya  
 プレイヤーを募集しよう
 
ここまで準備できたらプレイヤーを募集しよう。
この段階では下準備とトレーラー作成しか終わっていないが、それで構わない。
本格的な作業はPLとPCが決まってから始まることになる。
それもそのはずで、PC抜きにシナリオを決めるということは、
PCをストーリーラインの大分外側に置くことになってしまうからだ。
サンプルシナリオは製作者が事前に参加PCを知ることが不可能という制約上、そうなり易いのだが、
事前にPCを決めることができる環境において、わざわざこの制約を倣う必要は全く無い。
さて、プレイヤーを募集するにあたっては、
日時、募集人数、締め切り日、シナリオ傾向、レギュレーション、
必要であれば参加に必要なPCの条件などの諸連絡事項を添えて分かり易く書こう。
抜けているところや不足しているところが無いか再三チェックしてから募集しよう。
これを手抜かりなくやれるかどうかでPLのGMに対する信頼が変わってくる。
信頼されないGMの卓には十分な数のPLが集まらない。
しっかりやってPLの信頼を掴もう。

トレーラーを作ろう 2011/05/17/11:20:10 No.150  
kazuya  
 トレーラーを作ろう
 
トレーラーとは映画の予告宣伝であり、TRPGでも大体同じ意味だ。
これには二つの役割がある。
一つ目はGMが意図するところのセッションの雰囲気、シナリオの傾向を伝えること。
二つ目はプレイヤーに興味を抱かせ、セッションへの参加を促すこと。
この二つを意識しながら書こう。
最初はサンプルシナリオのトレーラーを参考にしながら、
あなたの意図が伝わるよう分かり易く書くこと。
一つ目の役割をまず達成させることを目標としよう。
面白みは欠けるかも知れないが、これが伝わらなければ意味不明なトレーラーという状態になる。
意味不明とは即ち事前情報0に等しい。あっても無くても同じトレーラーだ。
こうなることだけは避けよう。
テクニックの一つとして、段落ごとに役割を分ける方法がある。
例えば、1段落目で引き込み、2段落目であなたの意図を伝える。といった風にだ。
役割を段落ごとに与えることで一つ目の役割が欠如したトレーラーになることを避けることができる。
上手なGMはトレーラーが上手だ。気合を入れて頑張ろう。

シナリオを作るにあたっての下準備3 アウトライン 2011/05/17/11:20:36 No.151  
kazuya  
 シナリオを作るにあたっての下準備3 アウトライン
 
敵が決まりNPCが決まったが、まだPCが決まっていない。
近代的なストーリー作成手法において、キャラクターから先に作るのは常套手段だが、
それが無い以上は先には進みようがない。
というわけでもなく、まだ準備すべきものはある。
それはGM自身の希望である。
GMはまだ見ぬPCに一体何を求めているのか、何をして欲しいのか。
理想的なPCの行動を大雑把でいいのでアウトラインとして書いておこう。
そうすればPCを選考する基準が生まれるし、
その希望をハンドアウトとして渡してやることができる。
この作業は下準備1、下準備2ほど重要ではない、
PC設定の中に敵役と向き合う理由を見出すことができるからだ。
しかし慣れないうちはしっかり行っておくことをお勧めする。
自身が求めるものを頭の中だけでなく、文章に残し整理することは考える上で非常に有効だからだ。

シナリオを作るにあたっての下準備2 NPC 2011/05/17/11:20:54 No.152  
kazuya  
 シナリオを作るにあたっての下準備2 NPC
 
敵が決まったら次はPCを取り巻くNPCについて考えよう。
事件に巻き込まれながらもPCを変わらず応援してくれる健気なヒロイン、
敵役の行動に成す術もなくもがき苦しんでPCに助けを求める弱者、
PCと敵対しつつもPCを理解して時には手を貸してくれるライバル。
PC、敵役に次ぐ第三のポジションであり、
PCが敵役と思う存分に戦うためにそのハートに火を灯してくれる大事な役割だ。
彼らは基本的に活躍しない。
その花道を全力でPCに譲り、それを引き立てるために全身全霊を注ぐ。
時には邪魔をしたり、試練を与えたり、醜態を晒したり。
だが、その汚れ役を買ってでもPCに華を持たせることができればNPCのファインプレイだ。
どのようなNPCを登場させればPCをより輝かせることができるか。
それを踏まえてデザインしよう。
NPCの数はPCと同程度にするのが望ましい。
PC一人にNPC一人を対応させ、PCによってはカスタマイズすることで、
よりその役割が果たし易くなるからだ。

シナリオを作るにあたっての下準備1 敵役 2011/05/17/11:21:18 No.153  
kazuya  
 シナリオを作るにあたっての下準備1 敵役
 
まずは打倒すべき敵が必要だ。
それが直接的、間接的にどのようにPC達に関わってくるのか考えよう。
例えば敵はハイジャック犯だとする。
敵がハイジャックした旅客機の中にPCの恋人がいたとする。
こうして敵は晴れて目出度くPCの敵足りえる資格を得るのである。
つまり敵をPCと少しでも関わらせることが大事だ。
敵は”敵”というレッテルを貼っただけでは不十分なのだ。
そして、敵には敵なりの目的がある。
その目的自体はあべこべで理解し難いものでも問題ない。
”目的がある”ということが大事だ。
これを明確にすることで敵は大幅に動き易くなる。
銀行強盗は金が欲しいから銀行強盗をするのであり、テロリストは現状への不満からその道を歩むのである。
その目的を見出すにあたっての理由付けがあると説得力が沸いてくる。
敵役はPCに次ぐ第二のポジションであり、主役であるPCが引き立つかは彼の仕事によるところが大きい。
だから何を差し置いてもまず敵を考えよう。

プレイヤーの役割 2011/05/17/11:21:53 No.154  
kazuya  
 プレイヤーの役割
 
TRPGが映画ならPCというキャストは台本通り動く人形なのかと思われるが、そうではない。
映画でもキャストを演じるのは人間であり、
面倒な出演交渉とギャランティー、俳優イメージを壊さないための脚本変更交渉や出演拒否、
現実は世知辛く面倒臭いのである。
それと同じく、プレイヤー、そしてプレイヤーキャラクターは人形ではない。
それぞれの思惑を持ち、それぞれの信条に沿って動く人間だ。
シナリオメイキングにおいてはそこを理解する必要がある。
PCはあなたの台本通りのセリフなんて喋らないし、
あなたのシナリオ通りにストーリーが展開されないことだって珍しくない。
結果として出来上がるストーリーは滅茶苦茶なものになるかも知れない。
しかし、TRPGは映画と違って観客動員数や興行収入を求める必要は無い。
(商業リプレイに限って言えばそうとも言ってられないが)
楽しく”撮影”できればそれでいいのである。
自主制作映画や低予算ホラー映画にありがちな素人臭いノリ。
心の底から映画撮影を楽しんでいるような、そういう楽しさを求めるのが大事である。
このことを常に心のどこかに留めつつシナリオを作ろう。

シナリオとは何か? 2011/05/17/11:22:15 No.155  
kazuya  
 シナリオとは何か?
 
を語る前に、TRPGとは何かから大雑把に語ることにする。
誤解を恐れず例えるなら映画だ。
GMが監督し、PLという俳優がPCというキャストを演じる。
そして互いに協力してストーリーを作り上げる。
セッションはその撮影段階にあたり、シナリオはロケハンにあたる。
つまりシナリオとはストーリーを作る舞台を整えてあげることだ。
異論はあるかも知れないが、筆者はこの考えに則ってシナリオメイキングを行っている。
これから実際に示す具体的な方法も、この考え方を前提としている。

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