1.鴻上武則(コウガミ タケノリ)  ”倫理の地平線(エシックスホライズン)” 人間の脳、特にオーヴァードの脳をコンピュータに組み込むことにより、 優れた並列処理能力を与える技術「バイオ・ニューラル・デバイス」の研究者。 また、その技術の応用で人間に人格を移植する「パーソン・インプリンティング」の研究を推進している。 プランナーによるプランの一つで、この技術を確立させることによって、 レネゲイドビーイングの移植に役立てると共に、 反抗的な犯罪者や、精神の発達に問題のある培養クローンを、FHに従順な市民にすることができる。 鴻上武則は、この研究のためにFH、UGN問わずあらゆるオーヴァードを生贄に捧げてきた。 そして、研究のために新たに五人のオーヴァードに目をつけている。     2.登場NPC(登場させる予定のNPCとその設定)  ”プランナー”都築京香 FH日本支部長(DRp.156)  ”復習の刃(バルムンク)”カイン・マイルズ プロジェクト・アダムカドモン計画の失敗作(DRp.160)  ”シルクスパイダー”玉野椿 UGNエージェント(DRp.159)  天野加奈 N市公立高校在学の高校生(オリジナルNPC)     3.PCにさせたいこと(PCにどう行動して欲しいか)  鴻上武則の罠を打ち破り、CX終了時まで生き残ること。     4.シーン構成   OP1 シーンプレイヤー:朝霧 霜月 内容:加奈がレネゲイド移植することを伝える(回想) 内容:戻ってきた加奈と会話するシーン 描写 一般人がレネゲイド移植を希望するケースは多い。 「適正さえあれば処置は安全」「飛躍的な能力の向上が望めます」「あなたの願いが叶う」 そういったキャッチフレーズでFHがキャンペーンを行った結果である。 天野加奈もまた、レネゲイド移植を望んでおり、その適正を調べる検査を受けてきたようだった。 そして、彼女は嬉しそうにキミに報告した。 加奈「私レネゲイド適性があるみたいなの! 明日移植するんだ! 霜月ちゃんみたいに私もオーヴァードになるね!」 OP2 シーンプレイヤー:音無 紅 内容:玉野椿に謎のリストを渡されるシーン 描写 気配を感じた。キミが人気の無い通りに入ると、その気配は距離を縮め、実体を現した。 謎の気配「キミが音無君だね?」 そう言った彼女は、UGN戦闘部隊のエース、シルクスパイダーと呼ばれる玉野椿だった。 直接関わりがあるわけではないが、真面目で使命感が強く信頼できる人物である。 椿「私たちの部隊がFHの連絡員を襲撃した際に得たものだ。キミにも是非見て欲しい」 そういって、彼女は擦り切れた用紙に印刷された名簿を取り出した。 OP3 シーンプレイヤー:妖狐 内容:プロデューサーがボディーガードを提案するシーン 描写 プランナーの指示によって自らを利用したプロパガンダは成果を挙げつつあった。 これは彼女が紹介したプロデューサーの手腕によるところが大きかった。 堅実なマーケティングと集団心理への理解、そしてキミへの情熱がこの成功を生み出した。 プロデューサー「おめでとう妖狐ちゃん。新曲のDL数も順調に伸びてきてるし、大手食品会社のCM起用も決まったよ!」 彼とのミーティングの冒頭、彼はまずキミが挙げた成果を祝福した。 OP4 シーンプレイヤー:風間流 内容:京香に妖狐のボディーガードを要請されるシーン 描写 京香「任務ご苦労様。本作戦の成績トップおめでとう」 UGN掃討作戦を終えて帰還したキミを待っていたのはFH日本支部長都築京香だった。 国家に代わりFHが台頭した際の混乱を全て事前に収めたという優れた手腕を持ち、 事実上の日本の指導者である。 京香「今日はいい話を持ってきたわ」   ミドル1 シーンプレイヤー:シーンプレイヤー:音無 紅 内容:朝霧 霜月との合流シーン 描写 「紅と霜月の合流シーン」 リストに載っている人物で唯一所在が分かっている霜月。 椿の要請で彼女にリストを渡すことになった紅は、霜月に会いにいった。 ミドル2 シーンプレイヤー:風間流 内容:妖狐との合流シーン 「流と妖孤の合流シーン」 京香からの要請を受け、妖孤のボディガードを務めることになった流は彼女に会いにいった。 プロデューサー「やぁ、よく来てくれたね流君」 キミを出迎えたのはプロデューサーだった。 ※このシーンではプロデューサーが通信支配を使用。 効果は、あらゆる電気信号を用いた通信手段を制限する。シナリオ間継続。 具体的には、このシナリオの間、情報収集をPL側から提案してもロクな情報が集まらず、 GMが提示する情報も恣意的なものになります。 プロデューサー「不便をかけて済まないが、これも妖孤を守るためなんだ。理解して欲しい」 ミドル3 マスターシーン 内容:プロデューサーの陰謀 ここは、工業団地にあるFHのバイオプラント。 品質管理責任者「検体1571は順調です。”製造者(プロデューサー)”」 プロデューサー「拒絶反応は?」 品質管理責任者「その兆候は見られません。プランナーもきっと満足してくれるでしょう」 プロデューサー「バイオニューラルデバイスはくだらない玩具のための技術ではない」 プロデューサー「今日におけるFH、そして人類の抱える諸問題を解決する切り札となる技術なのだ」 品質管理責任者「しかし、プロデューサー。検体が不足気味で実験に遅滞が生じる可能性があります」 プロデューサー「問題ない。優良な検体を5つ準備してある。当面は足りるはずだ」 ミドル4 シーンプレイヤー:朝霧 霜月 内容:情報収集シーン 描写 このリストが何を示すものなのか、そして加奈には何があったのか。 それを調べようとした矢先。何者かが強力な情報統制を敷くエフェクトを使用した。 (プロデューサーの使用した通信支配のことです) この影響下での情報収集は困難だが、不可能というわけではない。 ※情報項目は以下の三つ オーヴァード失踪事件について 技能:情報FH 目標値:5 加奈について 技能:情報FH 目標値:5 リストについて 技能:情報FH 目標値:5 ミドル5 シーンプレイヤー:妖孤 内容:妖孤のレネゲイドビーイング握手会でUGNに襲撃されるシーン 描写 文字通り市民と触れ合う機会を増やすことが、 レネゲイドビーイングに対する理解を得るのに最適であるというプロデューサー。 そうした思惑から、この握手会は企画されたものだった。 これが実に好評で、握手を求めるファンが開始前から長蛇の列を形成していた。 ※ファンの一人が自爆する。 それに乗じて、UGNの戦闘部隊が妖孤を襲撃する。 演出戦闘で処理する。 終了後、UGNとの戦闘経験の多い流に疑問を与える。 クーデター前からの特徴であるが、UGNは通常人目を避けて行動する。 こんな派手な襲撃、ましてや市民に多くの犠牲を出すようなやり方は滅多に行わない。 ※情報項目は以下の二つ UGNの襲撃について 技能:情報FH 目標値:5 プロデューサーについて 技能:情報FH 目標値:5 ミドル6 シーンプレイヤー:音無 紅 内容:カインとの邂逅シーン リストに載っている反逆者、カイン・マイルズを捜索している最中、 キミたちは強力な氷点下のワーディングを察知する。 駆けつけてみると、そこには氷漬けになったFH治安部隊と、 ”復讐の刃(バルムンク)”カイン・マイルズがいた。 カイン「来ると思っていたよ。音無君と朝霧君、いや、検体1611と1612かな」 ※ここで、カインから完全な状態のリストが渡される。 バイオニューラルデバイスという項目には、UGN、FH含めた百数十名のオーヴァードが載っており、 妖孤や流の名前も載っている。 パーソンインプリンティングという項目には非オーヴァードの名前が載っており、加奈の名前を見つけることができる。 カイン「これは被験者のリストだよ」 カイン「プロジェクトアダムカドモンが公に被験者を募集するのに対して、こちらは秘密裏に集められている」 カイン「実験の詳細は知らないが、一つだけ言えることがある」 カイン「この実験は成功しようが失敗しようが、被験者が生きて戻ってくることはない」 カイン「”バイオニューラルデバイス”と”パーソンインプリンティング”     詳しく知りたかったら工業団地にあるバイオプラントを訪れてみるといい」 ミドル7 シーンプレイヤー:流 内容:PC合流シーン カインが去った後、襲撃事件の真相を調べるために紅を探していた流が現れた。 情報通りなら紅こそが犯人であり、彼を拘束し当局に引き渡すことが流の仕事だが……。 ミドル8 シーンプレイヤー:霜月 内容:情報収集シーン 工業団地にあるバイオプラントは最先端の設備を備えたレネゲイド移植施設でもある。 一般にも公開されており、移植後のサポートも行っているため、 ここを訪れる市民に開放されている施設である。 この施設からなら電気信号に頼らない”生の情報”を得ることができるだろう。 ※情報項目は以下の5つ 加奈についてII 技能:情報FH 目標値:7 バイオニューラルデバイスについて 技能:知識医学、情報FH、情報UGN 目標値7 パーソンインプリンティングについて 技能:知識医学、情報FH、情報UGN 目標値7 プロデューサーについてII 技能:情報FH 目標値9 妖孤襲撃事件についてII 技能:情報FH 目標値9 クライマックス 内容:鴻上武則との対決シーン ”関係者以外立入禁止”というプレートの貼られたドアを開け通路を進むと、 間もなく薄暗く広い広場に出た。 彼はそこにいた。 鴻上「待っていたよ妖孤ちゃん。それに風間君。早速容疑者を確保するとは流石だね」 ※鴻上武則と戦闘になる 配置は [鴻上/ヘリ]5m[戦車]5m[ジャームA/B/C]5m[霜月/紅/妖孤/紅] 行動値は、17鴻上、15ヘリ、7戦車、3ジャーム ED1 シーンプレイヤー:XXX 内容   ED2 シーンプレイヤー:XXX 内容   ED3 シーンプレイヤー:XXX 内容   ED4 シーンプレイヤー:XXX 内容     5.トレーラーとNPC紹介   トレーラー   19世紀、科学の進歩は人類を幸福にすると信じられてきた。 20世紀、それは人類を破滅させる力を持ち得た。 21世紀、レネゲイドの力により加速した科学は特異点を迎えようとしていた。   「一度、人間の生活を変化させる技術発展の加速について会話したが、 その結論として得られたのは、根源的な特異点がいずれ現れて われわれの知る人類はそのままでは存在できなくなるだろうということだ」   N市ではオーヴァードの失踪事件が相次いで起き、一月で165人が姿を消した。 だが、日夜テレビに映るのはレネゲイド移植に成功した人々の喜ぶ姿だった。 二人の可憐なアイドルがレネゲイド移植を推奨するCMで微笑んでいる。   この社会は希望に満ち溢れている。何の不安もなく、科学の進歩は人類を幸福に導く。 19世紀、人々はそう信じていた。     ダブルクロス 3rdEdition 「特異点」 ダブルクロス――、それは裏切りを意味する言葉。     登場NPC  ”プランナー”都築京香:FH日本支部長(DRp.156)  ”復習の刃(バルムンク)”カイン・マイルズ:プロジェクト・アダムカドモン計画の失敗作(DRp.160)  ”シルクスパイダー”玉野椿:UGNエージェント(DRp.159)  天野加奈:N市公立高校在学の高校生、非オーヴァード(オリジナルNPC)     5.データ   オーヴァード失踪事件について 技能:情報FH 目標値5 内容: そのような事件は起きておりません。ご安心下さい。 社会の安全は当局が保障しており、その高い治安維持能力は昨今の大幅な犯罪率の低下を実現しました。 一般の方、オーヴァードの方分け隔てなく安心して暮らせる社会を提供することが当局の役目でございます。   加奈について 技能:情報FH 目標値5 内容: 彼女はレネゲイド移植を希望しており、適正がありました。 工業団地の最先端のバイオプラントにて処置は適切に行われ、経過も順調。 オーヴァードの能力は徐々に発現されていくでしょう。 リストについて 技能:情報FH 目標値5 内容: 無作為に選ばれた市民のリストです。何の意味もありません。 偶然ではありますが、反政府思想の危険分子の名前が載っています。 カイン・マイルズ、彼を見つけたら速やかに当局への通報を。 UGNの襲撃について 技能:情報FH 目標値5 内容: レネゲイドビーイングと人類の友好に水を差す行為であり、許し難い蛮行である。 当局はUGNエージェント音無紅を容疑者と断定し、目下行方を捜索中である。 目撃情報は速やかに当局まで。 プロデューサーについて 技能:情報FH 目標値5 内容: 彼は優れた芸能プロデューサーであると同時に、行動心理学、脳科学を修めた学者でもあります。 バイオプラントの責任者でもあり、 レネゲイド移植の宣伝と処置の両方において実績のある素晴らしい人物です。 加奈についてII 技能:情報FH 目標値7 彼女はレネゲイド移植を希望していたが、残念ながら適正はなかった。 しかし、「レネゲイドの力を使って友人の傷を癒したい」という”ねがい”には強い意志が感じられる。 そこで私は彼女に「パーソンインプリンティング」の被験者としての適正を見出した。 彼女の人格にレネゲイドビーイングをオーバーライドすることで、 彼女はレネゲイドビーイングとして生まれ変わることになる。 元となる彼女の人格はレネゲイドビーイングによって”喰われ”消えることになるが、 このレネゲイドビーイングの人格は彼女の人格を元に形成されるので、 外面上は、彼女は人格をそのままにレネゲイドビーイングに生まれ変わることとなる。 さらに、いくつかコマンドコードを埋め込むことで、 彼女は従順な市民としてその義務を果たすようになるだろう。   品質管理責任者「検体1571は順調です。”製造者(プロデューサー)”」 プロデューサー「拒絶反応は?」 品質管理責任者「その兆候は見られません。プランナーもきっと満足してくれるでしょう」 バイオニューラルデバイスについて 技能:知識医学、情報FH、情報UGN 目標値7 人間の脳をコンピュータに組み込むことによって、並列処理速度を飛躍的に向上させる技術である。 被験者の脳を摘出する処置を行うため、もちろん被験者は死亡する。 オーヴァードを被験者とした場合、そのシンドローム特性なども付与され、より強力な生体部品となる。 当然ながら、一度コンピュータに組み込まれた脳を元に戻す方法はない。 パーソンインプリンティングについて 技能:知識医学、情報FH、情報UGN 目標値7 人格移植。バイオニューラルデバイスの応用技術であり、人間に異なる人格を移植する技術。 レネゲイドビーイングに人格制御のコマンドコードを打ち込んで人間に移植することによって、 反抗的な犯罪者をFHに従順な市民にすることができる。 理論上別の人間に生まれ変わるため、レネゲイド適性がなくてもオーヴァードとなることができる。 この処置を受けた者はレネゲイドビーイングに生まれ変わる。 移植を受けた側の人格は消滅する。これを元に戻す方法はない。 ただし、コマンドコードは解除プログラムを組み込んだナノマシンを注入することで解除できる。 プロデューサーについてII 技能:情報FH 目標値9 ”製造者(プロデューサー)” 鴻上武則(コウガミ タケノリ) 「バイオニューラルデバイス」と「パーソンインプリンティング」の研究者。 この研究のためにFH、UGN問わず、あらゆるオーヴァードを生贄に捧げてきた。 その数はここ一月で失踪したオーヴァードの数と一致する。 科学の進歩が人類を幸福に導くと信奉しており、善意で舗装された地獄への道を地で往く人物。 何れの研究もプランナーのプランに基いて行われており、FHが全面的なバックアップを行っている。 朝霧霜月、音無紅、妖孤、風間流、カイン・マイルズの五人を被験者として確保しようとしている。 妖孤襲撃事件についてII 技能:情報FH 目標値9 プロデューサー鴻上武則が、妖孤と流を被験者として確保するために起こした事件である。 あわよくば二人を確保し、確保できなくてもUGNになすりつけることで、 UGNの被験者を確保する足掛かりにするつもりだった。 実行犯は鴻上武則のセルのチームで、鴻上武則のブレインジャックによって、 決して鴻上武則に不利となる情報は漏らさない。 6.ハンドアウト PC1 朝霧 霜月 シナリオロイス:天野加奈 N市公立高校在学の高校生(オリジナルNPC) キミが通う高校の友人天野加奈は、キミに嬉しそうに報告した。 「私レネゲイド適性があるみたいなの! 明日移植するんだ! 霜月ちゃんみたいに私もオーヴァードになるね!」 そういって学校を休んだのが三日前。 彼女はオーヴァードとなって帰ってきたのだが、どこか様子がおかしい。 PC2 音無 紅 シナリオロイス:玉野椿 UGNエージェント(DRp.159) 同じUGNエージェントでありながら、直接の関わりのない彼女がキミの前に現れた。 「私たちの部隊がFHの連絡員を襲撃した際に得たものだ。キミにも是非見て欲しい」 彼女は擦り切れた用紙に印刷された名簿をキミに渡した。 そこには、ここ一週間で行方不明になったUGNエージェントの名前と、 その最後に、キミと朝霧霜月の名が記されてあった。 PC3 妖狐 シナリオロイス:プロデューサー FH御用達の芸能プロデューサー(オリジナルNPC) プランナーはキミに市民が不安なくレネゲイドビーイングを受け入れるためのプロパガンダを要請した。 「大丈夫、プロデューサーの指示に従っていれば何も問題ないわ」 実際、彼は有能だった。市民はあっという間にキミの存在を受け入れた。 一方で、目立つということはそれだけUGNのテロの標的になり易いということでもあった。 そこで、プロデューサーはキミにボディーガードをつけることを提案した。 PC4 風間流 シナリオロイス:都築京香 FH日本支部長(DRp.156) プランナーはキミのことを高く評価している。 「残党狩りなんて有象無象に任せておけばいいわ。それより、もっと大事な仕事をあなたに任せましょう」 そういって命じられた仕事は、RB友好キャンペーンガールの妖狐のボディガードだった。 オルトロスにしろ、妖狐にしろ、何がいいのか分からないが、 FH日本支部長直々の仕事となれば無碍にはできない。