■シナリオメモ  1.敵役    「”亡霊遣い(クリスマスキャロル)”」と呼ばれ、    対象の感情を読み取り、その亡霊を再現、使役することができるレネゲイドビーイング。    その姿は白い石で、「慙愧(ざんき)の石」と呼ばれている。    使用者はUGNから追われ、エクリプスに帰順した麻生舞。    彼女は、セル”御伽噺”が消滅すれば、同じ起源種実験から生まれた兄である涼太を、    エクリプスに心から帰順させることができると思っている。  2.登場NPC    リコ    サラエヴォ近郊に住む少年。    幼少時代のリコリスを気にかけてくれた屈託なく優しい心の持ち主。    カディル    サウジアラビアの王族の一人。少女の体を切り刻むのが趣味の猟奇趣味の奇人。    ペルシャ湾の油井開発の権利と引き換えに、フェルを欲しがった。    ドミニク    フェルネシアの父親。ルーザイングループ、特に資源開発部門に尽力している。    ペルシャ湾の油田開発のためにカディルにフェルを売り渡した。    ”夢想主義者(イマジン)”有川咲    稲川夕子の唯一の親友。    明るく真っ直ぐな性格で、誰一人泣かないで済む世界の実現を夢見る夢想家。    ”代えの利く容器(マクガフィン)”四条智樹    FHチルドレン、クロミィの持ち主。    日常にもFHの中にも自身の居場所を見つけられずにいる。彼の聡明さ、思慮深さはクロミィだけが知っている。  3.アウトライン    麻生舞の使用した慙愧の石を破壊し、過去の亡霊から自身を解き放つ。 ■シナリオノート  ・トレーラー 自らの存在意義を再発見し、復活した久瀬涼太。 セルに戻った彼だったが「どうしてもぼく自身でやらなければならないことがある」と言い、 一人で出掛けていった。 一方、日常が戻ったかに見えた御伽噺セルだったが、 クロミィは四条智樹の足跡を探していた。 だが、いくら探してもその後の彼の足取りは掴めなかった。 そんな中、FH連絡用モニターに驚くべき映像が映る。 演壇に立つ人物――照明の逆光で顔は確認できない――が、大勢の観衆を前に演説を始めた。 マクガフィン『ようこそ、諸君。新しい時代へ、エクリプスの時へ。        知ってる者もいるだろうが、改めて名乗ろう。        私の名は”代えの利く容器(マクガフィン)”、あらゆる組織、体制に牙を剥くものだ。        この中には、FHの施設で育った者もいるだろう、        UGNの施設で育った者もいるだろう、そしてそれ以外の者も……。        深い怨恨を抱える者たちも会しているだろうが、今はそれを忘れよう。        我々は皆、深い業の深淵から這い出てきた同胞なのだ!        諸君らは実験室の鼠の如く扱われ捨てられてきた。ゴミの如くだ!        人類はさらなる発展のために次の人類(ポストヒューマン)を生み出し、        やがてそれに取って代わられる宿命にあると科学者は言った。        ならば、それに相応しいのは誰か? それは諸君らだ!        次代を担うべく創造され、その脅威のために遺棄された諸君らこそが相応しい!        私はここに蝕(エクリプス)の設立を宣言する!        今こそ我々は真の役目を果たそう!        偽りの秩序の光を覆う蝕となり、新しい時代を築くために歩もう!!』 よく見てみると、久瀬涼太と麻生舞の姿もそこに確認できた。 そして、スポットライトがマクガフィンに向けられると、彼の顔も確認できた。 彼の正体とは――。 ダブルクロス 3rdEdition 「慙愧」 ダブルクロス――、それは裏切りを意味する言葉。 参加NPC 四条智樹 FHチルドレン、クロミィの持ち主。日常にもFHの中にも自身の居場所を見つけられずにいる。彼の聡明さ、思慮深さはクロミィだけが知っている。 リコ サラエヴォ近郊に住む少年。幼少時代のリコリスを気にかけてくれた屈託なく優しい心の持ち主。 有川咲 稲川夕子の唯一の親友。明るく真っ直ぐな性格で、誰一人泣かないで済む世界の実現を夢見る夢想家。 ドミニク フェルネシアの父親。ルーザイングループ、特に資源開発部門に尽力している。  ・ハンドアウト PC1 クロミィ シナリオロイス:四条智樹(トモキ) いつ頃のことか定かではないが、キミが物事を知覚できるようになったとき彼は泣いていたと思う。 言葉の意味を解する前だったが、それが決して良い状況を指すものではないことは理解できた。 その涙を止めてあげたい。 しかし、キミはまだそのコットンでできた手足を動かすことはできなかった。 彼を救う手段をキミは何一つ持っていなかった。   PC2 リコリス シナリオロイス:リコ ユーゴスラビア解体。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争。そして、民族浄化――。 キミはその落とし子だ。キミの本当の父親はセルビア人勢力の誰かで、キミは両親の子供ではない。 父親はアルコールと薬物に溺れ、母親は絶望し何処かに消えた。 そして、キミは聾者(ろうしゃ)のフリをして乞食で日銭を稼いでいる。 ある日、そんなキミに声をかける少年がいた。   PC3 夕子 シナリオロイス:有川咲 キミが本当に心を通わせることができた人は多くない。 それが権力者の家系というものだ。王者は孤独だと、キミは知っていた。 キミに接するときは、誰もが腹に何かを持っていた。 だが彼女は違った。頭がおかしいと疑いたくなるほど真っ直ぐな夢想家で、 思わず目を背けたくなるほど、彼女はキミには眩しく映った。   PC4 フェルネシア シナリオロイス:ドミニク キミの父親ドミニクは資産家であり、有能な経営者であり、良き父親だった。 油田開発の商談で成功を収め帰国、帰宅したのは30分前。キミのバースデーに何とか間に合った。 手には沢山のプレゼントを抱え、キミの記念すべき日を共に祝うために相当急いだ様子が、 彼の曲がったネクタイから容易に想像できた。 「待たせたねフェル。今回は名誉挽回できたかい?」  ・シーン構成 ―――――――――――――――――――――――――――――――― OP1 シーンプレイヤー:クロミィ 少年の泣き声が聞こえる。 彼が涙を流すのは幾度目になるだろうか、 キミはそれがとても悲しいことであると認識しつつあった。 しかし、同時に慰めの言葉をかけてやるどころか、 自分の手足さえ満足に動かせないことも認識していた。 熊だかもぐらだか分からない妙なぬいぐるみ、それがキミだ。 トモキ「ぐすっ……うぅ……」 ・内容:クロミィとトモキの回想シーン ―――――――――――――――――――――――――――――――― OP2 シーンプレイヤー:リコリス 父親に罵声と暴力と共に散々聞かされたキミの出生。 それは民族紛争による戦争犯罪の落とし子。キミの本当の父親は彼ではないということ。 アルコールと薬物に溺れたキミの父親は、痛みと憎しみしか教えてくれなかった。 それでも生き抜いていかなければならない。 キミは聾者(ろうしゃ)のフリをして乞食で日銭を稼いでいる。 サラエヴォ、灰色の空に押し潰されたような陰鬱な街角で媚びを売るのがキミの仕事だ。 ある日、一人の少年がキミに声をかけた。 リコ「こんにちは…… あの……」 ・内容:リコリスとリコの回想シーン ―――――――――――――――――――――――――――――――― OP3 シーンプレイヤー:夕子 「夕子さんは大変よくできたお子様でらっしゃる……」 「いやはや、御家の将来も安泰でございますな……」 キミは本当に誰かと心を通わせたことなんて一度たりともなかった。 キミに接する人間は誰もが必ず腹に何か抱えていた。 権力者の家系。そういうものなのだと、キミは納得していた。 だが、彼女だけは違った。 咲「あんた一度も”笑った”こと無いだろ? 鏡見てご覧、目が死んでるよ。   あたしはそんなあんたを助けに来た正義の味方さ!」 ・内容:夕子と咲の回想シーン ―――――――――――――――――――――――――――――――― OP4 シーンプレイヤー:フェルネシア 今日はキミのバースデーだ。 キミにはこの記念すべき日を一緒に祝いたい人がいる。それはキミの父親のドミニクだ。 彼は有能な会社経営者であり、世界各地を飛び回っている。キミの誇れる父親だ。 この前のクリスマスは休暇が取れず、キミは寂しい思いをした。 ドミニクはキミに約束した。 「すまないねフェル。次のフェルの誕生日は一緒に祝おう。約束するよ」 だが、ドミニクはまだ戻らない……。 ・内容:フェルとドミニクの回想シーン ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル1 シーンプレイヤー:クロミィ トモキは聡明で思慮深い子供だった。 様々な知識を吸収し、理解し、発展させてはキミに語って聞かせた。 特に科学に興味があったようで、その理解は子供ながらに学者顔負けのものがあった。 理論物理学、遺伝子工学、脳神経科学、分子素材工学、デジタル制御工学、飛行力学――。 それをキミに語って聞かせる時だけは、トモキは笑顔を見せてくれた。 トモキ「ねぇ、クロミィ ぼく、ミレニアム懸賞問題がまた一つ解けたんだよ!」 ・内容:クロミィとトモキの回想シーン2 ・シーンメモ:トモキが研究員に無理矢理連れ出されてシーンカット。        クロミィの回想シーンはここでラストとなる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル2 シーンプレイヤー:リコリス 父親からの暴力は耐え難いものがあった。 凄惨な紛争が終わって十年も経つのに、キミはまだその暴力の渦中にいた。 だが、そんなキミを支えるのはリコの存在だった。 キミがどんなに望んでも届かないであろう、幸福な家庭で暮らす無垢な少年。 彼と一緒にいると、自分まで幸福になれそうな気がしていた。 そんな生活にも終焉が訪れる。 父親「おい、稼ぎはこれだけか? ったく使えねぇガキだ」 ・内容:リコリスとリコの回想シーン2 ・シーンメモ:父親がリコリスを暴行しようとして殺害され、        そこにリコが現れて、警察に通報するところでシーンカット。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル3 シーンプレイヤー:夕子 咲は孤独な戦いを続けていた。 子供一人を助けるために、UGNとFHの戦闘に割って入り、 両方とも相手取って大立ち回りをすることさえあった。 彼女の理解者は少なく、敵は多かった。 また、咲の戦いによって新たに誰かが傷つくというジレンマを抱えていた。 彼女と親しくなった頃、その思いを夕子に吐露することがたびたびあった。 咲「ねぇ夕子 つまんない話なんだけどさ」 ・内容:夕子と咲の回想シーン2 咲「強過ぎる力は人を泣かせるんだよ……」 咲「それはあたしにも言えることで、あたしはそのつもりがなくても人を傷つけることがある」 咲「あたし、あんまり頭良くないけど、どうしたら理想を実現できるかずっと考えてきた」 咲「それで、あたしは強過ぎる力を断つために戦う でも、それはきっと世界そのものとの戦いになる」 咲「そのことは怖くないけれど、ただ、なんていうかさ 馬鹿だって思うだろ?」 咲「もうちょっとマシなこと思いつかないのかよって」 咲「だからさ夕子、あんたあたしより頭いいんだから、なんか名案あったら教えてよ」 咲「あたし期待してるからさ!」 ・シーンメモ:咲と夕子の会話が終わったら一旦切り、以下の咲の訃報を伝える。 咲には数少ない理解者、恋人がいた。 だが、それは彼女の理解者を装った賞金稼ぎだった。 隙を突かれて襲撃された咲は、瀕死の重傷を負いつつも賞金稼ぎを返り討ちにした。 その際にジャーム化し、その後、UGNの処理部隊に処理された。 咲の衝動は”破壊”だったという。 咲の理解者の一人であったスルトは、不器用ながらに咲の理想を実現すべく、 この世界そのものの破壊を決意した。 一方、夕子は――。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル4 シーンプレイヤー:フェルネシア キミは父親と共にバースデーを祝い。幸せな眠りについた。 目が覚めたらおはようのキスをせがんでみるのもいいかも知れない。 だが、それは叶わなかった。 キミは目を覚ました時、そこは地下牢のような薄暗い部屋だった。 そこには鼻をつく血や肉の腐臭が漂っていた。 「お目覚めはいかがかな、お姫様…… くくっ……」 髭を生やした男が下品な笑みを浮かべながらキミを値踏みするような目で見ている。 ・内容:フェルネシアとカディルのシーン ・シーンメモ:フェルネシアが殺され、覚醒したところでシーンカット。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル5 シーンプレイヤー:クロミィ(全員登場可) セル拠点施設に会した一同。 とくに何かあったわけではないが、その雰囲気はどことなく重苦しかった。 涼太は「どうしてもぼく自身でやらなければならないことがある」と良い、 一人で出発して数日。何の連絡も無い。 上からこれといった要請もなく、ただ時間を浪費していた。 ・内容:モニターにマクガフィンが現れるシーン 突然、FH連絡用モニターが映像を映し出す。 これはいつものポイズンスネークからの連絡かと思われたが、様子がおかしい。 そこに映し出された映像とは……。 演壇に立つ人物――照明の逆光で顔は確認できない――が、大勢の観衆を前に演説を始めた。 演壇の男『ようこそ、諸君。新しい時代へ、エクリプスの時へ』 これは、スネークの悪い冗談か……。 演壇の男『私の名は”代えの利く容器(マクガフィン)”』 リエゾンロードを襲撃し、FHを混乱に陥れた人物だった。 マクガフィン『私はここに蝕(エクリプス)の設立を宣言する!』 大勢の観衆が沸き立ち、盛大な拍手が送られる。 モニターを良く見ると、そこに涼太と舞の姿を確認できた。 そして、スポットライトが徐々にマクガフィンに向けられていき、 そこでモニターの映像は途切れた。 ・シーンメモ:演説終了でシーンカット ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル6 シーンプレイヤー:リコリス(全員登場可) これは悪い冗談か。 そうじゃなければ尚更性質が悪い。 どうして涼太があそこに……。 状況把握に務める必要があるようだ。 ・内容:情報収集シーン ・情報項目 「エクリプスについて」 技能:情報裏社会 目標値7 エクリプスはマクガフィンがかねてから準備していた組織であり、 UGNやFHのチルドレン達を構成員としている。 その目的はUGNとFHの拮抗によって作られた裏世界秩序の転覆であり、 発足と同時に多面攻撃を開始した。 FHの主要セルの一つ”オーダーオブブラック”も襲撃を受け、 これを何とか撃退することに成功したが、 リーダーのヴィカラーラが負傷し、組織が麻痺状態に陥った。 「マクガフィンの正体について」 技能:情報FH 目標値9 彼の正体は現在行方不明中のFHチルドレン四条智樹である。 独学でミレニアム懸賞問題全問を解くほどの並外れた頭脳と思考力を武器に、 その動向を悟られることなく、瞬く間に現状に不満を抱くチルドレン達を纏め上げ一大勢力を築き上げた。 彼はかつての泣き虫の少年ではない。 今や、悪魔的な才能とカリスマを備えた指導者である。 「涼太の目的について」 技能:情報噂話 目標値5 涼太には舞の気持ちが痛いほど理解できた。 そして、彼女が苦しんで辛い思いをしているなら、それと戦うのが自分の役目だと思っている。 何とか舞と接触すべく、エクリプスに潜り込むことに成功したが、 マクガフィンに心酔する舞を説得し、そこから連れ出す術を涼太は持っていなかった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル7 マスターシーン 舞「涼太君、私の本当のお兄ちゃん……」 舞「マクガフィン様の理想を理解できないなんて……」 舞「やっぱり、まだFHに心を毒されたままなんだね……」 舞「でも大丈夫。お兄ちゃんには私がついてる……」 舞「私がその毒を癒してあげる…… この”白い石”を使って……」 舞がそれを地面に置くと、白い石は淡く輝き始めた。 ・内容:舞が慙愧の石を使用するシーン 慙愧の石がEロイス虚実崩壊使用 PC全員を慙愧の石が歪め実体化させた妄想世界に送り込む。 PCが登場するシーンに、シナリオロイスをその生死に関わらず登場させる。 それぞれ意志判定に成功することによって実世界に戻ることができる。 実世界に戻れたPCは他のPCの送り込まれた妄想世界に入り込むことができ、 そこで支援を宣言することで、そのPCの意志判定の達成値に+3することができる。 判定はシーン終了時に行うことができ、目標値は9とする。 舞「永遠に夢を見続けるといいわ…… 毒蟲共めがっ!!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル8 シーンプレイヤー:クロミィ そこは、クロミィとトモキだけの世界。 狭くて殺風景で、ほとんど何も無いが、 二人で過ごした大切な場所だ。 トモキ「ただいまクロミィ…… やっと完成したんだよ ぼくたちだけの世界が」 そこでは立派に成長したトモキがキミを迎えに来た。 ・内容:クロミィの妄想世界 ・シーンメモ:意志判定に失敗すると似たようなシーンを延々繰り返す。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル9 シーンプレイヤー:リコリス そこはミラノの街並み、ブランドショップが立ち並ぶ一角。 リコリスの目の前には、店のレイアウトを事細かく指示する成長したリコの姿があった。 リコ「やぁ、来てくれたんだねリコリス ようやくこのブランドを立ち上げることに成功したんだ」 リコ「ミラノコレクションにも出展が決まって、今大忙しで準備中なんだ」 リコ「リコ&リコリス、ぼくたちのブランドだよ キミには是非そのモデルをやって欲しいんだ」 ・内容:リコリスの妄想世界 ・シーンメモ:意志判定に失敗すると似たようなシーンを延々繰り返す。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル10 シーンプレイヤー:夕子 キミの目の前では咲が恋人と仲良さそうに手を繋いで歩いている。 彼女の太陽のような明るさの笑顔が印象的だ。 咲「あっちゃ!? 夕子に見つかっちゃったか!!」 咲「ごめんっ! 隠すつもりは無かったんだけどさ」 咲「何て言うか照れ臭いじゃん? 紹介するね あたしの彼氏の・ソ譁・ュさん とっても良い人なんだ!」 ・内容:夕子の妄想世界 ・シーンメモ:意志判定に失敗すると似たようなシーンを延々繰り返す。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル11 シーンプレイヤー:フェルネシア キミがベッドから目覚めると、目の前には父親のドミニクが立っていた。 ドミニク「おっと、起こしてしまったかな…… すまないねフェル」 ドミニク「フェルがXX歳になって初めての朝を一緒に迎えられたらと思ってね」 ドミニク「おはようフェル お目覚めのキス、いいかな?」 ・内容:フェルネシアの妄想世界 ・シーンメモ:意志判定に失敗すると似たようなシーンを延々繰り返す。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ミドル12 シーンプレイヤー:夕子(全員登場可) キミたちは目が覚めた。 もしかしたら二度と目覚めることができなかった眠りから。 エクリプスの動向からこのセルが攻撃された可能性がある。 まずは状況把握に務めなければならない。 ・内容:情報収集シーン ・情報項目 「攻撃について」 技能:情報FH 目標値7 この状況はエクリプスに帰順した麻生舞からの攻撃によるものである。 彼女は「慙愧の石」と呼ばれる白い石のレネゲイドビーイングを用いて攻撃を行った。 これを破壊しなければ、今後何度も妄想世界に引き摺り込まれるだろう。 情報項目に「麻生舞について」「慙愧の石について」「石の所在について」を追加 「麻生舞について」 技能:情報裏社会 目標値7 彼女はUGNを追われた後、耐え難い逃亡生活を送っていた。 UGNは裏切り者として、FHは敵として彼女を追い続けた。 そんな彼女に手を差し伸べたのがマクガフィンだった。 マクガフィンは舞に、自身や涼太、舞は皆組織の犠牲者であり、そして同胞であると説いた。 そして、涼太と舞は同じプロジェクトから産まれた兄妹であり、その絆を大切にすべきだと説いた。 その優しく、それでいて厳かさを湛えた声色に舞はすっかり魅入られてしまった。 「慙愧の石について」 技能:知識レネゲイド 目標値7 それは鉱物タイプのレネゲイドビーイングである。 人の感情、特に深層にあるものを投影する能力を持っている。 それ自体は鏡のような存在で何の意志も持たないが、 使用者が標的を特定の対象に絞ることで、攻撃の道具として使える。 自己防衛機能も備えており、標的の感情を読み取り、その過去の亡霊を使役することから、 「亡霊遣い(クリスマスキャロル)」とも呼ばれている。 「石の所在について」 技能:情報噂話 目標値7 学校の裏にある廃ビルに置かれている。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― クライマックス バブル時代の遺物、取り壊しもままならない廃ビルにそれはあった。 淡く輝く白い石、慙愧の石、亡霊遣い(クリスマスキャロル)。 麻生舞の姿は無かったが、 その石さえ破壊できれば、下世話な悪夢の連続を止められる。 ・内容:慙愧の石との戦闘シーン ・シーンメモ:PCが石を破壊しようとしたところで、石が反応して戦闘へ        戦闘が終了すると、慙愧の石が砕ける寸前にEロイス虚実崩壊を使用        この効果は慙愧の石が砕けた瞬間に解ける。        バックトラック終了後、EDは妄想世界のシーンとなる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ED1 シーンプレイヤー:リコリス ここはあの鬱屈としたサラエヴォの街並。 キミが住んでた頃のそのままの景色が広がる。 そして、目の前には少年時代の姿のままのリコがいる。 リコ「リコリス……、ごめん」 ・内容:リコリスの妄想世界 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ED2 シーンプレイヤー:夕子 キミが心を通わせる数少ない親友咲。 卑劣な手段で散った彼女が、今キミに語りかける。 咲「ごめんっ、夕子! ドジっちゃった! ははっ……」 ・内容:夕子の妄想世界 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ED3 シーンプレイヤー:フェルネシア キミが幸福だった日々そのままに、 キミが心安らげたベッドの傍らに、 キミの父親ドミニクがいつになく苦渋の表情を浮かべ立ち尽くしている。 ドミニク「私は……、取り返しのつかないことをっ!」 ・内容:フェルネシアの妄想世界 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ED4 シーンプレイヤー:クロミィ ここは何処とも分からない不思議な空間。 真っ暗な宇宙にキミ一人が浮かんでいる。 そして、一斉に目の前の人物にスポットライトが当たる。 四条智樹だ。 あの頼りなかった少年は、皺一つ無いスーツに身を包み、 背筋の通った自信に溢れる姿勢で、優しく、それでいて厳かにキミに語り掛ける。 智樹「クロミィ……、ずいぶん探したよ まさか、そこにいるとはね」 ・内容:クロミィの妄想世界(?) ―――――――――――――――――――――――――――――――― ■告知 トレーラー   自らの存在意義を再発見し、復活した久瀬涼太。 セルに戻った彼だったが「どうしてもぼく自身でやらなければならないことがある」と言い、 一人で出掛けていった。   一方、日常が戻ったかに見えた御伽噺セルだったが、 クロミィは四条智樹の足跡を探していた。 だが、いくら探してもその後の彼の足取りは掴めなかった。   そんな中、FH連絡用モニターに驚くべき映像が映る。 演壇に立つ人物――照明の逆光で顔は確認できない――が、大勢の観衆を前に演説を始めた。   マクガフィン『ようこそ、諸君。新しい時代へ、エクリプスの時へ。        知ってる者もいるだろうが、改めて名乗ろう。        私の名は”代えの利く容器(マクガフィン)”、あらゆる組織、体制に牙を剥くものだ。        この中には、FHの施設で育った者もいるだろう、        UGNの施設で育った者もいるだろう、そしてそれ以外の者も……。        深い怨恨を抱える者たちも会しているだろうが、今はそれを忘れよう。        我々は皆、深い業の深淵から這い出てきた同胞なのだ!        諸君らは実験室の鼠の如く扱われ捨てられてきた。ゴミの如くだ!        人類はさらなる発展のために次の人類(ポストヒューマン)を生み出し、        やがてそれに取って代わられる宿命にあると科学者は言った。        ならば、それに相応しいのは誰か? それは諸君らだ!        次代を担うべく創造され、その脅威のために遺棄された諸君らこそが相応しい!        私はここに蝕(エクリプス)の設立を宣言する!        今こそ我々は真の役目を果たそう!        偽りの秩序の光を覆う蝕となり、新しい時代を築くために歩もう!!』   よく見てみると、久瀬涼太と麻生舞の姿もそこに確認できた。 そして、スポットライトがマクガフィンに向けられると、ようやく彼の顔を確認できた。 彼の正体とは――。     ダブルクロス 3rdEdition 「慙愧」 ダブルクロス――、それは裏切りを意味する言葉。     参加NPC   四条智樹 FHチルドレン、クロミィの持ち主。日常にもFHの中にも自身の居場所を見つけられずにいる。彼の聡明さ、思慮深さはクロミィだけが知っている。   リコ サラエヴォ近郊に住む少年。幼少時代のリコリスを気にかけてくれた屈託なく優しい心の持ち主。   有川咲 稲川夕子の唯一の親友。明るく真っ直ぐな性格で、誰一人泣かないで済む世界の実現を夢見る夢想家。   ドミニク フェルネシアの父親。ルーザイングループ、特に資源開発部門に尽力している。     ハンドアウト   PC1 クロミィ シナリオロイス:四条智樹(トモキ) いつ頃のことか定かではないが、キミが物事を知覚できるようになったとき彼は泣いていたと思う。 言葉の意味を解する前だったが、それが決して良い状況を指すものではないことは理解できた。 その涙を止めてあげたい。 しかし、キミはまだそのコットンでできた手足を動かすことはできなかった。 彼を救う手段をキミは何一つ持っていなかった。   PC2 リコリス シナリオロイス:リコ ユーゴスラビア解体。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争。そして、民族浄化――。 キミはその落とし子だ。キミの本当の父親はセルビア人勢力の誰かで、キミは両親の子供ではない。 父親はアルコールと薬物に溺れ、母親は絶望し何処かに消えた。 そして、キミは聾者(ろうしゃ)のフリをして乞食で日銭を稼いでいる。 ある日、そんなキミに声をかける少年がいた。   PC3 夕子 シナリオロイス:有川咲 キミが本当に心を通わせることができた人は多くない。 それが権力者の家系というものだ。王者は孤独だと、キミは知っていた。 キミに接するときは、誰もが腹に何かを持っていた。 だが彼女は違った。頭がおかしいと疑いたくなるほど真っ直ぐな夢想家で、 思わず目を背けたくなるほど、彼女はキミには眩しく映った。   PC4 フェルネシア シナリオロイス:ドミニク キミの父親ドミニクは資産家であり、有能な経営者であり、良き父親だった。 油田開発の商談で成功を収め帰国、帰宅したのは30分前。キミのバースデーに何とか間に合った。 手には沢山のプレゼントを抱え、キミの記念すべき日を共に祝うために相当急いだ様子が、 彼の曲がったネクタイから容易に想像できた。 「待たせたねフェル。今回は名誉挽回できたかい?」   日時: 募集人数: シナリオ傾向: 連絡事項:(締切日、応募における注意点、マスタリングについてなどなど) レギュレーション:(経験点制限、ステージ制限、所属制限など) セッションチャンネル: ※(投稿前には記入漏れが無いか注意しましょう。   伝わるべきことが伝わらなかったせいで起きる齟齬は、   読む人の気持ち考えて分かり易い文章を工夫することで回避できます。   「告知は分かり易い文章で」   これが、不特定多数に向けて参加者を募るときの前提となります) 00:52 (zakibotDX) #set name=リコリス pl=エニシ hp=24 maxhp=24 def=0 inv=33 ro=3 com=d:破壊の子/春日恭二/久瀬涼太/リコ/ 00:52 (zakibotDX) #set name=クロミィ pl=コアラ hp=29 maxhp=29 def=0 inv=43 ro=2 ta=0 com=トモキ/ウィンドマスター 00:52 (zakibotDX) #set name=夕子 pl=ロク hp=30 maxhp=30 def=0 inv=35 ro=2 com=d:雷帝/板垣時次/有川咲